バリ・アートフェスティバル 2024年【ティルタ・サリ楽団「Tirta Sari」】

ティルタ・サリ楽団

PKB(Pesta Kesenian Bali)

バリ・アートフェスティバル(Pesta Kesenian Bali)は、デンパサールのアートセンターを会場に6~7月に約1か月間開催されるバリ芸術の大きなイベントで、バリではPesta Kesenian Baliを略して「PKB」 と呼ばれています。

今年の第46回アートフェスティバルは、2024年6月15日~7月13日でした。
年に一度の芸術祭なので各団体は総力上げての公演となります。会場は超満員。大勢の観客がいるので演奏者さんも踊り子さんもテンションが上がります。

レゴン・ラッサムの特徴

  1. 優雅な動き: レゴン・ラッサムは、細やかで繊細な動きが特徴です。特に、手や指の動きが非常に重要で、表現力豊かです。
  2. 華やかな衣装: この舞踊では、鮮やかで装飾の多い衣装が使用されます。金色や赤色を基調とした衣装に、豪華なアクセサリーや髪飾りが加わります。
  3. 音楽: ガムランと呼ばれるバリの伝統的な楽器による伴奏が特徴です。ガムランのリズムとメロディがダンサーの動きと調和し、全体の雰囲気を盛り上げます。
  4. 物語性: レゴン・ラッサムは、神話や歴史的な物語を元にしたストーリー性のある舞踊です。登場人物や物語の展開が、ダンサーの動きや表情によって表現されます。
  5. コミュニケーション: ダンサーは、視線や表情、そして手の動きなどを通じて観客とコミュニケーションを図ります。特に目の動きが重要で、感情や意図を伝える手段となります。

これらの特徴が組み合わさり、レゴン・ラッサムは非常に魅力的で感動的な舞踊となっています。バリの文化や伝統を深く理解する上で、この舞踊は重要な役割を果たしています。

反り返った足先と肩の動きブルブルにも注目してみてください。
幼い頃から日々厳しい練習を重ねてきたからこそ為せる業なのです。

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目次

「ティルタサリ楽団」当日の模様

7月11日にプリアタン村の「ティルタ・サリ楽団」 Sekaa Gong Tirta Sariによる公演がありました。
アートセンター内のKalangan Ayodyaステージにて入場無料

ティルタ・サリ楽団

プスパ・メカール

古典舞踊劇ガンブーの侍女役、「カカン・カカン」の踊りをヒントに人々を歓迎し祝福するために作られた踊りです。

引用元:ティルタ・サリ案内リーフレット
ティルタ・サリ楽団

レゴン・ラッサム(3部に分けました)

レゴン・ラッサム「チョンドン & レゴン」

バリ舞踊の代名詞と言えるほどよく知られるようになったレゴン舞踊。現在まで数多くつくられたレゴン舞踊の中でも最もポピュラーな演目がこのレゴン・ラッサムです。その物語は古典舞踊劇ガンブーの題材でもあるジャワ島を舞台とした古典文学「マラット」に取材しています。 舞踊はチョンドンと呼ばれる侍女役の華やかな踊りで幕を開け、その後レゴンの二人による物語へと続きます。

レゴン・ラッサム「レゴン」

黄金のとんぼを追ううちに森に迷い込んでしまったジャワ島ダハ王国の王女ランケサリは、それを見つけたラッサム王子に保護されます。ランケサリ王女の美しさに強く惹かれたラッサム王は何度も求婚を試みますが、王女にはすでにパンジ王子という婚約者がいたために、これをかたくなに拒絶されてしまいます。

レゴン・ラッサム「神鳥ガルーダ」

絶望のうち、ラッサム王はダハ王国に攻め入る決心を固めます。しかしそのとき神鳥ガルーダが現れ、戦場で王を待つものは死であると予言します。王はそれを振り切り、死の待つ戦場へと出陣して行きます。

引用元:ティルタ・サリ案内リーフレット

レゴン・ラッサム「チョンドン & レゴン」

レゴン・ラッサム「レゴン」

ティルタ・サリ楽団

レゴン・ラッサム「神鳥ガルーダ」

ティルタ・サリ楽団

クビャール・トロンポン

20世紀中頃に活躍したタバナン出身の天才舞踊家マリオの作になる舞踊。男性ではありますが、女踊りを得意としていたマリオが、女踊りの衣装で「クビャール(閃光、稲妻)」スタイルの曲に合わせて即興で踊った「クビャール・ドゥドゥック」という座りながら踊る舞踊を基にし、「トロンポン」という楽器を演奏しながら踊る部分を加えたものです。高度な舞踊の技術に加えて中性的な表現、楽器演奏者としての素養も必要とされます。

引用元:ティルタ・サリ案内リーフレット
ティルタ・サリ楽団

レゴン・ジョボックとレゴン・スマランダナ

レゴン・ジョボグ

この演目は、インド起源の古典文学「ラーマーヤナ」の中からスバリとスグリウォという兄弟のエピソードをレゴン舞踊に仕立てたものです。元々人間だった兄弟は、ある諍いがもとで猿に姿を変えられてしまいます。 あるとき、二人が洞窟に逃げ込んだ魔物を退治しようと、まず兄のスバリが洞窟に入って行きます。スバリは苦闘の末に魔物を退治する事に成功しますが、兄が負けたと思い込んだ弟スグリウォによって洞窟に生き埋めにされてしまいます。なんとか脱出したスバリは、弟が自分の国と妻を横取りする気でいると疑い、兄弟の戦いが始まります。

レゴン・スマランダナ

神々の住む天界では、シバ神から神にも負けない特別な力を与えられた怪物ニラルドゥラカが暴れまわり、神々は歯が立たず困っていました。そこで神々は、山中に篭って瞑想をしているシバ神に助けを求めることにしますが、シバ神を瞑想から目覚めさせるのは、とても大変なことのため、その役目を愛の神スマラに任せます。シバ神の瞑想を妨げれば、その怒りにあい、一瞬にして焼き尽くされるといわれていたため、妻のラティーは夫の身を案じ嘆きくずれますが、天界を救うためと、止める妻を振り切り、スマラは危険を承知で山へと向かいます。 山中深くで、瞑想するシバ神を見つけたスマラは、感覚のすべてが目覚め愛を感じるようになるといわれている矢を放ちます。矢が当たり、瞑想を邪魔されたシバ神は怒り、第三の目から火を放ってスマラを焼き尽くしてしまいます。 怒りも静まり我に返った時、シバ神は、すべての事情を知り嘆き悲しみ、生きとし生けるものの中に、その魂が生き続けるようにと、スマラの灰を地上に撒き散らします。 レゴン・スマランダナでは、ここまで演じられますが、その後、物語では、スマラの愛の力に触れたシバ神と、その妻の間に息子が生まれ、この息子が怪物ニラルドゥラカを目出度く退治することになります。

引用元:ティルタ・サリ案内リーフレット

聖獣バロン

バリ・ヒンドゥー教では、全ての物事に「生と死」、「善と悪」など必ず相反するものがあり、このバランスが維持されることで世界が成り立っていると考えられています。
聖獣バロンの象徴で、今回(動画に)登場しませんがの象徴を魔女ランダとしています。倒されても必ず復活するバロンはあらゆる災害を防ぐ力を持つと信じられています。

この後も色々と演目が続きますが、事情により残念ですが帰宅しました。アートフェスティバルでは演目数が多くひとつの演目時間も長いです。

ダンス会場では案内リーフレット(折りたたんだ印刷物)を渡されることが多いですが、開演前に読んでおくとダンスの内容がわかります。今回のアートフェスティバルでは案内リーフレットはありませんでした。

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