世界文化遺産に認定された【スバック水利システム】とは

スバック

Subak

バリの世界遺産は、ひとつの遺跡や自然が認められたものではなく、「スバック水利システム」に関連する広範囲にわたるものをまとめて文化遺産として認定されています。バリ島の世界遺産はひとつす。

構成要素
「棚田とその水利施設(ため池、水路など)」
「スバックと密接に関係のある寺院群」

関連する場所やエリア
  • ウルン・ダヌ バトゥール寺院
  • タマン・アユン寺院
  • バトゥール湖
  • プクリサン川流域のスバック景観(テガララン村の棚田、ティルタ・ウンプル寺院、グヌン・カウィ遺跡など)
  • バトゥカル山のスバック景観(ジャティルウィ村の棚田など)
トリ・ヒタ・カラナ哲学に基づくスバック水利システム

バリ人の約90%が「バリ・ヒンドゥー教」といわれています。このバリ・ヒンドゥー教では「トリ・ヒタ・カラナ」を重んじています。
トリ・ヒタ・カラナ」とは幸せになるために神、人、自然のつながりを大事にしなさい」ということです。バリの観光産業にも「トリ・ヒタ・カラナ観光賞プログラム」というものがあり、この哲学が反映されています。

スバック」とはバリ各地域にある水利組合(水を管理する組織)のことで、8~9世紀よりあります。
河川や湧き水など自然から得られた大事な水を、ため池や水路の管理によって公平に分配する役割をしています。大きな特徴は各スバック全てに寺院を持ち、水の神様、稲の神様を崇拝し、お祭りをすることです。
地域によっては稲刈りと田植えを同時に行われることもありますが、これはスバックを利用した水利システムのおかげです。
皆で神様に感謝すること、人々が互いに協力すること、豊富な湧き水と水路のもたらす仕組みによって自然と調和する豊かな棚田を作り上げてきたのです。

用水路

スバック博物館(2024年5月現在、改築のため一時閉館中

インドネシアの世界遺産一覧

文化遺産6件、自然遺産4件の世界遺産は10件あります。リンクはグーグルマップです。

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